多けりゃいいってもんじゃない!

私以外にはたぶんどうでもいい話です。覚悟して読んでください。

半沢の倍返しシリーズ第二段、いい足りない編です。

前回では出版社の「倍返しの取扱いについて」に関して疑問を呈したが、テレビ局に至っては半沢の根幹に触れる致命的な間違いを犯している。言わねばなるまい。

出版社、テレビ局ともの半沢と言えば「倍返し」にしたいらしい。違う。全然違う。

彼のモットーは「基本は性善説、だがやられたらやり返す、倍返しだ!」である。彼の職業である銀行語に翻訳するなら

「私のお取扱いに関しまして、少々荒っぽいお取扱いでありましても、基本的に利子、ご利用手数料は頂きません」と言っているのである。

はじめての方は一か月ご利子無料のプロミスのようなものである。この利子の取り方をもって「銀行マンとしては少々わくをはみだしちゃいます半沢」を暗示しているのである。

「ただし、そこに明白な悪意、おとしめよう、危害を加えようという意思並びに行為が明白に発覚した際には年利100%を頂戴します」

つまり彼は筋の通った銀行マンとしての行動規範を持っており、倍返しにつながる行為も基本的に銀行マンとして業務を遂行したら、悪漢どもが勝手にふっとんでいっただけである。私憤ではない、業務遂行である。

しかし、予想を超えた高視聴率に判断力が喪失してしまったテレビ局は、その筋の通った銀行マンのスケールの大きい業務遂行物語を、規模の大きな復讐劇だと勘違いした。勘違いをしたことが明白なのは、原作にはない次のセリフをおめおめと言わせたことでもわかる。

「100倍返しだ!」

あほか。

年利10000%である。年利100%だってめったなことでは頂きません、よほどのことですと明言している彼が年利10000%なんて言うわけないやろ。年利で100倍取ろうとすると、「といち」で一年以上かかる。10日に一割の利子。闇金である。ウシジマ君である。

いいかい、テレビ局。筋の通った銀行マンの胸のすく業務遂行物語であった原作を、あんたらは「といちの闇金 ウシジマ直樹」におとしめたのだ。わかっているのかTBS。

空飛ぶ広報室と同じテレビ局とは思えないわい。